TMK(特定目的会社)
特定目的会社
特定目的会社(通称TMK / Tokutei Mokuteki Kaisha)とは、「資産の流動化に関する法律(資産流動化法)」に基づき設立される法人をいい、同法第2条第3項においては「同法に基づき設立された社団」と定義される。
※ 資産の流動化に関する法律(資産流動化法)
解説
特定目的会社は、資産流動化スキームのために特別に制度設計された会社である。設立には発起人が定款を作成し署名・押印することが必要であり(第16条1項)、定款には以下の事項を必ず記載しなければならない(第16条2項)。
- 目的
- 商号
- 本店の所在地
- 特定資本金の額(この法律に別段の定めがある場合を除き、特定出資の発行に際して特定社員となる者が特定目的会社に対して払込み又は給付をした財産の額をいう。以下同じ。)
- 発起人の氏名又は名称及び住所
- 存続期間又は解散の事由
さらに、以下の事項は定款に記載がなければ効力を生じない(第16条3項)。
- 金銭以外の財産の出資をする者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行特定出資(特定目的会社の設立に際して発行する特定出資をいう。以下この節において同じ。)の口数
- 資産流動化計画に従って譲り受ける特定資産以外の財産で特定目的会社の成立後に譲り受けることを約したもの及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
- 特定目的会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
- 特定目的会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他特定目的会社に損害を与えるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)
このようにTMKは、通常の株式会社に比べて事業目的・設立要件・商号などが厳格に制約されている。実務上はSPC(特別目的会社)の一種として、不動産や債権の流動化に広く用いられており、倒産隔離や投資家保護の仕組みを担保する中核的なビークルである。
特定資産
定義
この法律において「特定資産」とは、資産の流動化に係る業務として、特定目的会社が取得した資産又は受託信託会社等が取得した資産をいう。
出典
『資産の流動化に関する法律』 第2条第1項
解説
特定資産は、資産流動化スキームにおいて証券化の対象となる基礎資産を指す。不動産、金銭債権、リース債権などが典型的であり、これらを特定目的会社(TMK)や信託会社が取得し、資産を裏付けとした証券が発行される。
資産の流動化
定義
この法律において「資産の流動化」とは、一連の行為として、特定目的会社が資産対応証券の発行若しくは特定借入れにより得られる金銭をもって資産を取得し、又は信託会社若しくは信託業務を営む銀行その他の金融機関が資産の信託を受けて受益証券を発行し、これらの資産の管理及び処分により得られる金銭をもって、次の各号に掲げる資産対応証券、特定借入れ及び受益証券に係る債務又は出資について当該各号に定める行為を行うことをいう。
一 特定社債、特定約束手形若しくは特定借入れ又は受益証券 その債務の履行
二 優先出資 利益の配当及び消却のための取得又は残余財産の分配
出典
『資産の流動化に関する法律』 第2条第2項
解説
資産の流動化とは、特定目的会社(TMK)や信託会社が、不動産や債権などの資産を取得し、その資産を裏付けとする証券(資産対応証券・受益証券など)を発行して資金を調達し、その後の資産管理・処分により得られる収益を投資家に配分する仕組みをいう。
要するに、資産を証券化して資本市場から資金を引き出すプロセスそのものであり、不動産証券化の制度的基盤を成している。
