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定義
Equity(自己資本)とは、企業や投資において、資産総額から負債を差し引いた残余の持分をいう。
すなわち、投資家や株主が出資した資金や、事業活動によって蓄積された利益の部分であり、借入(Debt:他人資本)と対比される概念である。
参考文献:『コーポレートファイナンス 戦略と実践』、『企業価値評価 第6版』に基づく整理。国際評価基準(IVS)においても、Equityは「資産から負債を控除した残余持分(residual interest in the assets after deducting liabilities)」と定義されている。
解説
- 企業会計の貸借対照表においては、「資産 = 負債 + 自己資本」の関係で表され、自己資本は残余財産に対する所有者の権利を示す。
- 不動産投資の文脈では、物件取得の際に投資家が拠出する自己資金を指し、借入金(Debt)と合わせて投資総額(Total Capital)を構成する。
- 投資リスクの観点からは、Debtが優先的に返済されるため、Equityは残余請求権としてハイリスク・ハイリターンの性格を持つ。
不動産投資では、物件の取得・保有資金を「エクイティ(自己資本)」と「デット(借入)」の組み合わせで調達するのが一般的である。
J-REIT(上場不動産投資信託)や私募リート、私募ファンドなどの仕組みでは、このエクイティ部分を投資家から集め、さらに金融機関から借入を行う。なお、ここでの「不動産投資ファンド」とはJ-REIT、私募リート、私募ファンドを指し、不動産クラウドファンディングは含まれない。
参考までに、J-REITにおいては一般的にLTV(Loan to Value:借入金残高 ÷ 資産総額)比率は50%〜60%程度であり、借入を活用することで投資効率(レバレッジ効果)を高める。
レバレッジの考え方
- フルエクイティ(借入なし)の場合
投資総額10億円をすべて自己資本で賄う場合、NOI利回りが5.0%なら年間NOIは0.5億円。
投資家の自己資本10億円に対する利回り(ROE)は 5.0% となる。 - レバレッジを効かせる場合(自己資本5億円+他人資本5億円、金利1.5%)
総投資額10億円のうち5億円を金利1.5%で借り入れる場合、年間NOIは0.5億円。借入金利1.5%により支払利息は年間0.075億円(750万円)。
税引前キャッシュフローは 0.425億円 となり、自己資本5億円に対する利回り(ROE)は 8.5%となる。
鑑定はかせこのように、借入を利用すると収益率を高められる(レバレッジ効果)が、同時に想定外の空室や金利上昇、賃料減額による収益悪化によって金利負担に耐えられなくなると、利回りがマイナスになるケースもあるので、借入比率と収益の安定性が重要じゃよ
関連用語
- Debt(他人資本):金融機関からの借入など返済義務を伴う資金。
- Capital Structure(資本構成):EquityとDebtの比率。
- Net Asset(純資産):会計上のEquityにほぼ相当。
- Equity Value(株主価値):企業価値(Enterprise Value)から有利子負債を差し引いた株主に帰属する価値。
- Leverage(レバレッジ):Debtを活用してEquityに対する投資収益率を高める仕組み。
